研究室の特色

メディカル情報生命専攻の中で、我々の研究室では医学にこだわります。ゲノムサイエンス、バイオインフォマティクス、マルチオミックス解析などの様々な先端生物学の情報を融合し、それを臨床医学に還元する科学を実践していく―これこそがまさに、我々の研究室が新領域創成科学研究科の中にあり、メディカル情報生命専攻の中に存在する理由です。生命科学と情報科学を融合して、メディカルへの展開を目指す、我々の研究室はもっともメディカル情報生命らしい研究室であると自負しています。基礎生物学を研究していても、その視線の先には常に医学があり、患者さんがいます。明日の医学のために、基礎生物学を臨床医学につなぐ研究で新しい領域を開拓して行こうという意欲を持った研究者の養成を行っています。

我々の教室ではヒトT 細胞白血病ウイルス1型(Human T-cell Leukemia Virus type 1: HTLV-1)とそれによって発症する成人T細胞白血病・リンパ腫(Adult T-cell leukemia: ATL)およびHTLV-1関連脊髄症(HTLV-1 Associated Myelopathy: HAM)を研究対象としています。いずれも難治な疾患で、ATLは近年治療成績が改善しつつある急性白血病などの血液腫瘍の中にあって、今でももっとも難治な血液腫瘍の一つであり、HAMは根治療法がなく、患者さんは大変苦しい生活を強いられています。我々の研究室がある白金台キャンパスは日本の附置研究所の中で唯一附属病院を持っており、ここで、展開される診療とも密接な関係を持ちながら研究を進めています。そして、これらの医学研究が、疾患の病態の理解を通して、生物学の新たな理解、発展につながることを目指しています。また、我々の研究室ではATLの臨床研究、HTLV-1感染に対する政策研究も展開し、わが国におけるHTLV-1研究の中心的な施設の一つです。

(内丸の任期の関係で当分野では学生募集は行いません)